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痩せるだけではない! 美容と健康の最強たんぱく質

 

「たんぱく質」は三大栄養素の1つで人体の30~40%を占める私達の生命維持に欠かせない栄養素です。良質なたんぱく質として主に肉類や魚介類、卵、乳類、大豆製品などが挙げられますが、ダイエットや美容、健康においてどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか?

 

たんぱく質を知ればリバウンドしにくい体やプルプル美肌、疲労回復など幅広い効果が期待が出来るはずです。逆に、どれだけ美容やダイエットの為に努力していても、肝心のたんぱく質が不足していては意味がありません。そんなたんぱく質について解説していきます。

 

たんぱく質とは

 

まずはダイエットや美容の効果を知る上で必要なたんぱく質の基礎知識を簡潔に説明します。食事から取り込まれたたんぱく質がアミノ酸に分解され再びたんぱく質として再合成される。全体の流れとしてはこんな感じです。

 

たんぱく質とはたんぱく質の最小単位である20種類のアミノ酸が50個以上組み合わさった状態を指し、その組み合わせによって機能の異なるたんぱく質が生成されます。20種類のアミノ酸は体内で合成出来る11種類の「非必須アミノ酸」と、体内で合成出来ない9種類の「必須アミノ酸」に分かれます。

 

アミノ酸は20種類のうち1種類でも不足すると正常にたんぱく質を作る事が出来ません。
つまり、たんぱく質を正常に作る為には体内では合成できない「必須アミノ酸」を多く含む食事が大切になります。

 

たんぱく質を多く含む食材として主に肉類や魚介類、卵、乳類、大豆製品などが挙げられる事が多いですが、これらは単に「たんぱく質が多いから」ではなく、「9種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれているから」なのです。たんぱく質の量だけならば白米などの穀物やトマトにも多く含まれていますが、あまり聞かないのはこうした理由があるからです。

 

食事として取り込まれたたんぱく質は、そのままでは分子が大きいためアミノ酸として細かく分解され、全身の各部分で機能するたんぱく質として再合成されます。その数はなんと10万種類にも及びます。 莫大な種類のたんぱく質ですが、その全ては20種類のアミノ酸から作られているのです。

 

そうして出来たたんぱく質が全身に回り、筋肉をはじめ、血管や内臓、髪や爪、皮膚や骨などの組織形成から、ヘモグロビンやホルモン、酵素など体の機能を維持する物質の原料や体を動かすエネルギー源としても使われます。

 

様々な働きがあり、身体には欠かせないたんぱく質ですが具体的にどのような効果があるのか健康、美容、ダイエットの三つの観点から見ていきましょう。

 

1 健康のための たんぱく質

 

たんぱく質が不足するとどうなるのか? また摂りすぎても問題はないのか?
ざっと解説していきたいと思います。

 

たんぱく質の不足による主な健康被害

 

.筋肉の減少
筋肉はたんぱく質から出来ているのでたんぱく質が不足すると筋肉が減少します。

 

2.臓器や骨、爪や皮膚、髪のトラブル
これも筋肉と同じくたんぱく質から作られる組織には悪影響です。
さらにたんぱく質が材料となるコラーゲン等の減少により肌や髪などの弾力やツヤも失われてしまします。

 

3.貧血になる
赤血球の主成分であるヘモグロビンはヘム(鉄)とグロビン(たんぱく質)の複合体です。貧血は生理による鉄不足が原因で女性に多い症状ですが、たんぱく質が不足するとヘモグロビン(赤血球)を作る事が出来ず貧血になる可能性があります。息切れや立ちくらみ、うつ、手足の冷えなどは貧血のサインかもしれません。

 

4.免疫力の低下
免疫細胞の主原料はたんぱく質なのでたんぱく質が不足すると免疫力が低下します。

 

5.集中力、思考力の低下
ドーパミンやセロトニン等の神経伝達物質はアミノ酸(たんぱく質)から出来ている為、たんぱく質が不足すると脳の働きが鈍くなります。

 

この他にも様々な心身の不調が考えられますが、極端に偏った食生活でない限りたんぱく質は摂取しやすい栄養素です。心身に不可欠で積極的に摂りたい栄養素ですが、摂りすぎによる健康被害はないのでしょうか?

 

 

たんぱく質の過剰摂取による主な健康被害とその対策

 

1.腎臓、肝臓等の内臓疲労
たんぱく質を分解する肝臓と、余剰な栄養素を尿として排泄する腎臓への負担が増加します。
また水分不足になりやすいので注意しましょう。

 

2.骨粗鬆症(骨がもろくなる)リスク
余剰なアミノ酸(たんぱく質)は尿として排泄されるとき、一緒にカルシウムも道ずれにする性質があるためカルシウム不足になる可能性があります。またカルシウムの不足がストレスの原因になることもあります。
牛乳なども併用して飲むようにしましょう。

 

3.尿路結石のリスク
主に動物性たんぱく質に含まれる「含硫アミノ酸」が肝臓で分解されるときに、リン酸塩や硫酸塩といった物質が発生します。これらの物質は膀胱内でシュウ酸とカルシウムが結晶化するのを助ける働きがあり、これが尿路結石のリスクを上げるとされています。
気になる方はシュウ酸を含む牛肉やコーヒー等の過剰摂取は避け、水分を多く摂るようにしましょう。

 

4.腸内環境の乱れ
腸内の悪玉菌は動物性たんぱく質を好みます。過剰摂取により分解されなかったたんぱく質がそのまま腸内に運ばれ悪玉菌の餌になるのです。
乳酸菌や食物繊維の多い食事が腸内環境を整えてくれます。

 

とは言え極端にたんぱく質ばかりの偏った食事でない限りはそこまで心配する必要はありません。
厚生労働省による、たんぱく質の平均必要量は1日につき、男性は50g、女性は40gと定義されています。目安として体重1㎏に対して1~1.5g(60㎏=60~90g)ですが、
運動されている方などは多少オーバーしていても問題ありません。

 

2 美容のための たんぱく質

 

人の体は水分とたんぱく質で出来ていると前述しました。もちろん肌や爪、髪などもたんぱく質から作られいます。
では具体的にたんぱく質を摂ることで、どのような効果があるのでしょうか?

 

美肌効果 (コラーゲン、エラスチン)

 

ハリと弾力のある綺麗な肌になるにはコラーゲンエラスチンの働きが大事になってきます。人間の肌は外側から「表皮」、「真皮」、「皮下組織」と主に3つの層が重なり合ってできていて、皮膚(肌)の弾力を生み出しているのが真ん中にある「真皮」です。そして、この「真皮」を形成しているのが、コラーゲンとエラスチンなのです。

 

コラーゲン(膠原繊維)は真皮内に網目状に張り巡らせれており、その網目部分を繋ぎ留める役割を担っているのがエラスチンです。
つまりコラーゲンとエラスチンが組み合わさり皮膚に弾力やハリが生まれるのです。

 

加齢により肌が衰えるのも、このコラーゲンやエラスチンが年々減少していくためです。そしてこのコラーゲンとエラスチンは、たんぱく質とビタミンC、鉄から作られています。

 

「肌に良い」と、ビタミンCやコラーゲンのみを摂取される方がいますが、それだけでは美肌効果は見込めません。肌のためには主原料である、たんぱく質とビタミンC、鉄を一緒に摂るようにしましょう。肌は1か月ほどで作り変えられるため、すぐに手応えを実感出来るはずです!

 

メモ

ビタミンCを多く含む食材

パプリカ、ブロッコリー、キャベツ、小松菜、オレンジ、キウイ、レモン...

 

メモ

鉄を多く含む食材

レバー、バジル、納豆(大豆)、小松菜、アサリ、ヒジキ、牛肉(赤身)...

 




サラサラ髪、ツヤのある爪 (ケラチン)

 

髪の毛や爪の主成分はケラチンというたんぱく質から作られています。このケラチンが傷んだ髪の補修や、ツヤのある綺麗な爪を保つ役割をしています。ワカメなどの海藻類も髪に良い影響を与えてくれますが、最も効果的であるのは主成分であるたんぱく質をしっかり摂る事です。
髪や爪に良いケラチンですが、どのようにして作られるのでしょうか?

 

食事で摂られたたんぱく質をアミノ酸に分解し、亜鉛と合成する事でケラチンが作られます。その際、アミノ酸の再合成を助けるビタミンB群(ビタミンB6)も一緒に摂るとより効率的です。

 

またケラチンは18種類のアミノ酸から成る動物性たんぱく質で、その約20%はシスチンというアミノ酸から形成されます。豚肉等の動物性たんぱく質にはシスチンが多く含まれおり、ケラチンの増加に繋がります。良質なたんぱく質(主に動物性たんぱく質)とビタミンB6、亜鉛を一緒に摂る事が髪や爪を綺麗にすることに繋がります。また外側からのケアとしてケラチントリートメントなどもあるので気になる方は調べてみてもいいかもしれません。

 

メモ

ビタミンB6を多く含む食材

赤身の魚、レバー、パプリカ、バナナ、卵、さつま芋、玄米...

 

 

メモ

亜鉛を多く含む食材

牡蛎、牛肉、羊肉、レバー、乳製品(特にチーズ)、抹茶、煮干し、納豆...

 

 

美容においても欠かせないたんぱく質ですが、様々な栄養素と組み合わさる事でより真価を発揮します。たんぱく質はもちろん、いつもの食事に栄養素の組み合わせを意識してみる事も大切だと思います。

 

 

3 ダイエットのための たんぱく質

 

 

たんぱく質には様々なダイエット効果があります。
では具体的な、たんぱく質のダイエットに役立つ働きを紹介します。

 

たんぱく質は脂肪になりにくい & 脂肪燃焼しやすい 

 

たんぱく質は他の栄養素に比べて脂肪になりにく特徴があります。消化吸収された後、脂質や糖質が飢餓や病気のためにエネルギーを蓄えるのに対し、たんぱく質のほとんどはエネルギー消費されるか、尿として排出されるからです。

 

また食べ物を消化、吸収する際に内臓の働きが活発になります。それにより熱が生み出され、エネルギー消費が行われる事を食事誘発性熱生産(DIT)と言います。食後に体が温まるのは、このDITによるもので、一食当たり摂取エネルギーの約10%はDITにより消費されます。DITにより消費されるエネルギー量は吸収された栄養素によっても異なります。

 

糖質が6%、脂質が4%に対してたんぱく質は30%ものエネルギーが消費されます。また、DITの割合は筋肉量が多いほど高くなります。筋肉量を増やす事でよりエネルギー代謝の良い体を目指しましょう。




筋肉を作り体脂肪を減らすたんぱく質 (バリン、ロイシン、イソロイシン)

 

筋肉は食事誘発性熱生産(DIT)だけではなく、基礎代謝や筋肉の再合成などにもエネルギーを消費します。つまり筋肉の量に比例して日常生活で消費するカロリー量が変わってくるので、筋肉をつける事はダイエットに直結します。
筋肉を増やし基礎代謝を上げる方法→健康で効率的!ダイエットを始めるには!

 

ジムでプロテイン(たんぱく質)を摂取する人が多いように、筋肉を増やす為には筋トレと良質なたんぱく質を含んだ食事が必要になります。その際、より筋肉に良いとされているたんぱくが分岐鎖アミノ酸(BCAA)です。分岐鎖アミノ酸(BCAA)とは、運動時の筋肉でエネルギー源となる必須アミノ酸である、バリン、ロイシン、イソロイシンの総称です。

 

分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)は主に動物性たんぱく質に多く含まれており、バリン:ロイシン:イソロイシン=1:2:1の比率で摂取すると効果的です。とりわけ筋肉の合成を促進し脂肪燃焼作用のある「ロイシン」が必要になります。「ロイシン」は、マグロなどの赤身や鶏胸肉、豚ヒレ肉などに多く含まれていますが分岐鎖アミノ酸がより比率に近い食材を選ぶことが重要です。

 

 

メモ

分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)がバランス良く含まれている食材
牛肉、鶏肉、ササミ、マグロ、カツオ、サンマ、アジ、大豆、高野豆腐、卵、牛乳、チーズ...

 

 

疲労回復効果もある分岐鎖アミノ酸ですが、運動30分前~運動中に約卵2個分or牛乳コップ2杯以上摂取するとより効果的です。
また運動中にも摂取しやすい分岐鎖アミノ酸入りのサプリメントや含有飲料がおススメです。
手に取って分岐鎖アミノ酸の含有量を見比べてみるのもいいかもしれません。

 

最後に

 

たんぱく質には種類があります。

バランスの良い食事の中で、目的に応じたたんぱく質を摂り選ぶことがより豊かな食生活に繋がります。

食事から体を、生活を変えていくのも面白いと思います(/・ω・)/



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